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一刀両断 実践者の視点から【第254回】

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論説・コラム

道徳教育の課題

 特に道徳教育の分野においては、学者を優位にして理論を並べすぎたから実践者は居づらくなって、道徳から離れて行ったのだろうと私は感じられる。
 学者は得られても、卓越した実践者は極めて得難い。これまでの道徳に実効性があるのなら、何故いじめや不登校が減少しないのか。スクールカウンセラーも配置して先生方の研修もかなりの頻度でやってきてはいる。なのに効果が見られないのは何故だろうか。
 目的に対して手段が適切とは言えないからではないだろうか。考え、議論するに止めないで、結果にコミットするとすればその意気込みが伝わってくる。
 「考え、議論する」で止まっていては以前からの道徳教育と何ら変わらないのではないだろうか。道徳を説く教師や学者は多くいるが、困難事例に勇んで立ち向かう者はあまりに少ないように私には感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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