教職大学院で事務局職員の学び直し 教委の機能強化へ整理案
2面記事 文科省は12日、教育委員会の機能強化などを検討する協力者会議を開き、議論の整理案を示した。専門性向上のため、委員会事務局職員を教職大学院に派遣することや、教育行政職採用の制度を周知することを求めた。3月中に報告をまとめる。
整理案は、
・教委事務局の機能強化
・首長部局との効果的な連携
・小規模自治体への対応
―の三つの観点でまとめた。
機能強化については、職員に教職大学院などでの学び直しの機会や、教育現場の経験を積む機会を提供することが重要だと指摘。教員出身の職員が教育課程や学校への指導以外の事務処理に労力を多く割かれることがないように、業務内容の分担を整理することも必要だとしている。
教育行政職採用についての考えも盛り込んだ。各自治体の教育行政を支える中心人物を育成するため、教委事務局に特化してキャリアを積む採用を広めるとしている。
首長部局との連携では総合教育会議の充実を要望した。事務局を教委が担うなどして問題意識を共有することを提案した。定例会だけでなく、大きな問題が起きた場合には総合教育会議を開き、常に話し合えるようにしておくことが重要だと指摘した。
人口減少によって増えている小規模自治体の対応にも言及した。同省によると、令和3年度に職員が10人以下の教育委員会は全体の約4分の1に上るという。市町村では対応が難しい学校のデジタル化の推進などでは都道府県が主導して役割を担うことを求めた。オンラインを活用した指導主事の授業参観や訪問なども考えられるとしている。