一刀両断 実践者の視点から【第243回】
NEWS「学校が楽しい」は本当か
実に不思議な数値が出された。
《NHK放送文化研究所が7月から8月にかけて12~18歳の人を対象に行った調査で、9割近くは学校が「楽しい」と感じていることが分かった。「とても楽しい」と答えた割合は中学生世代で40・9%、高校生世代で40・1%とほぼ差はなく、「まあ楽しい」は中学生世代が49・5%、高校生世代が47・5%とやや差が開いた。友達と話したり、一緒に何かしたりすることを楽しいと感じている割合が高かった》(「中高生の9割「学校は楽しい」」)としている。
そんなに楽しいなら何故不登校が増え続けているのか。楽しくあってほしいという願いを加えて、まあ楽しい時とあったとも読み取れるのである。
質問者の意図によってコントロールされるような表現は無神経か意図的か、さらに無作為としているが不登校の生徒の回答が入っているとは考え難い。そうなるとこのアンケートは何のために取ったものなのか、そしてその結果を何処へ反映させようとしているのか。
私が小校長の時、赴任前の満足度は60%台で不登校も多く存在した。赴任後様々な工夫や改善を重ねて98%まで引き上げたが容易な事ではなかった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)