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教師になるには

16面記事

書評

藤原 智也 監修
長瀬 拓也 編著
頭・心・体の準備と教職の魅力伝える

 教育界にとって大変な時代になった。教師志望の若い人が減り、どこの都道府県も採用倍率が下がり、人材確保に苦慮しているからだ。そういう状況の中で本書が出版されたのは意義深い。
 それでは教師の魅力とは何か。本書の編著者の長瀬氏は、これから教師を目指そうとする若い人に向かって、熱いエールを送っていた。次の一節に教師の魅力が過不足なく示される。
 <教師の仕事は、忙しく、大変。たくさんの苦労をします。しかし、私たち教師は、かけがえのないものを手に入れることができます。それは、人が成長するということです>
 この成長は、もちろん子どもの姿を示すけれども、実は教師自身の成長もある。成長の実感を持てるかどうかで、教師人生の生きがいが決まると言ってもいいくらいである。
 本書は、採用試験の取り組みから、学校現場に出る直前の取り組みとして体力を付けることや話す力を付けることなど教師としての頭と心と体をつくっておくことまで、懇切丁寧に示されている。
 また現役教師からも多様な視点で、教師の魅力がエピソード風に語られている。当然、現場に出ればさまざまな問題が出てくるだろう。そういうときにも本書を手にすれば、前向きになるに違いない。本書を読み、現場の教師も元気になってほしい。
(1760円 キーステージ21)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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