「給特法改善」自民に訴え 教員ら有志の会が要望書
1面記事要望書を手渡す有志の会の呼び掛け人の西村祐二さん(中央)と、日本若者協議会の村橋祐貴・代表理事。
左は中村裕之・自民党文部科学部会長=27日、衆議院議員会館
教育関係者らでつくる「給特法のこれからを考える有志の会」が10月27日、自民党に教育職員給与特別措置法(給特法)の抜本的な改善を求める要望書と約6万5千人分の署名を提出した。本年度の文科省の教員勤務実態調査の結果を待つまでもなく、「50年以上前に成立した給特法が今の時代に合っていないことは明白だ」などと訴えた。
要望書を受け取った自民党の中村裕之・文部科学部会長は懇談後、記者団に「問題意識は共有した。個人としては教職調整額を大幅に引き上げる必要があると考えている」などと答えた。
有志の会は給特法の見直しに伴い教員に地方公務員一般職と同じルールを適用することや、残業代の支給、時間外労働に対し罰則付き上限規制を設けることなどを要望している。
給特法は令和元年に改正され、月45時間の時間外労働を上限とすることなどが示されたが、その後に実施された研究者や教職員組合の調査では、いずれも上限を大幅に超える時間外労働が行われていた。
署名活動を呼び掛けた、公立高校教員の西村祐二さんは懇談後、「現在は働き方改革が管理職の属人的な改革にとどまっており、上限時間を超える勤務に対して罰則を設けることが必要だ。(一律4%の)教職調整額ではなく、残業代として支払われないと、本気で時間外労働を減らそうとしない」などと話した。