中教審の教員養成・採用改善案 関係団体、意見聴取で賛否
1面記事 教員養成や採用・研修の改善を検討している中央教育審議会の小委員会は6日、これまでに示した中間まとめに対する関係団体へのヒアリングを実施した。採用試験の前倒しなどの提案に賛否の声が上がった。
中間まとめは教員のなり手不足などを背景に対応策を提案。
・教育実習の実施時期の見直し
・4年制大学でも最短2年で免許を取得できる教職課程の開設
・採用試験の早期化の複線化
・特別免許状の活用
―などを盛り込んでいた。
日本教職員組合は、「採用倍率の低下の背景にある教職の魅力低下を克服するための改善策に言及されていない」と指摘。教員の裁量権の拡大や子どもに寄り添える時間の確保などを求めた。また、特別免許状の活用に対しては、特に小学校の授与拡大に慎重な議論を求めた。
全日本教職員連盟は、教育実習を早い学年から実施するという中間まとめの提案に「ただ行うだけでは資質向上にはつながらない。理論と実践を往還させるためのプログラム作成が重要だ」と訴えた。
採用試験の早期化については「就職活動の不安がなく、4年次の授業や教育実習に意欲的に打ち込めるようになる」などと支持した。
意見を書面で提出した全国教育管理職員団体協議会も「採用倍率の低下は教員の質の低下に直結する」として採用試験の前倒しなどを要望。共通問題の導入による水準の確保や面接・討議の重視なども求めた。
また、全日本教職員組合は、採用試験の早期化や複線化に「大学生に教員になることだけを優先したプログラムを押し付けるべきではない」などと反対した。
小委員会は次回もヒアリングを実施し、教育委員会団体や校長会などから意見を聞く。