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小学校社会科におけるエネルギー・ライフライン教育「授業支援パッケージ」活用の手引き

18面記事

書評

北 俊夫 著
重要性増す課題の指導計画を提示

 低いといわれる食糧自給率より、さらに低いのはわが国のエネルギー自給率である。地震、水害などの自然災害に脅かされる国民の日常生活を重ね合わせたとき、本書が提起する「エネルギー・ライフライン教育」の重要性が感得されるのではないだろうか。
 エネルギー資源の現状を学びつつ、電気、ガス、水道などのライフラインを支える人々の役割などを知るため、日本教育新聞と日本ガス協会が学習プランを含む指導計画、活用できる資料などを「授業支援パッケージ」として提供(https://www.gas.or.jp/kyoiku/)する。
 小学校社会科の4年「住みよいくらし」と「自然災害からくらしを守る」、5年「工業生産を支える貿易と運輸」の3単元の指導計画を開発。新たな視点での扱い方を提示した。例えば、5年の単元では輸入国調べにとどまらず、エネルギー資源の安定供給のためになされている工夫の理解も視野に入れた。
 脱炭素社会構築という大きな潮流を背景に、コロナ禍での産油調整やロシアのウクライナ侵攻などが影響し、エネルギー資源はグローバルな課題として顕在化した。国内でもエネルギー危機への懸念が高まると同時に、地震、水害などの自然災害とライフラインの確保は常に求められている。
 「エネルギー・ライフライン教育」は、今や学ぶべき喫緊の課題となったと言えまいか。本書を活用、あるいはアレンジしつつ、児童への理解を深めてもらいたい。
(1650円 日本教育新聞社)
(矢)

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