一刀両断 実践者の視点から【第154回】
NEWS教員の専門性とは
学校の情報化が進まない訳を考察してみたい。それは素人の中に玄人のふりをした知ったかぶりの担当が存在しているからである。そうしたところは概して進展はしない。
かつて私が情報担当指導主事となって数多くの機器更改を担当した時の事である。専門用語はほとんど知らなかったので、学校の担当教員が話す意味が理解できなかった。何やら専門用語を並べて自己満足しているように感じられた。
毎日となると腹が立ってきて、分かりやすく説明を求めてもそれが出来ない事が分かってきた。本人もよく分かっていないようだった。こうした輩が存在しやすいのがこの分野である。
開発者と話すと平易に理解できるのだが、見聞きしただけの傲慢思考の持ち主が説明すると煙に巻くようなちんぷんかんぷんになる。こうした輩は出来る限り排除しないと望ましい進展はない。この英断こそが管理職の仕事である。それが出来ないからICT化がいつまで経っても進まないのである。
専門性とは、難しい事を簡単に説明してやる気にさせて、自分以上の後継者を作る事にある。それをさせないでやたらと専門用語を並べる担当教諭はある意味、その影響を考えると罪は大きい。教師としての資質が完全に欠けている。
かつてこうした輩の管理職登用を控えるように何度か進言したことがあった。能書きは多いが授業は下手で、臆病な者が多く、管理職としては明らかに不適だからである。但し、中には両面を持ち合わせた稀な存在もいるのも事実である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)