インターンで教育課題研究し政策提案 学生チームを募集
1面記事大阪・松原市教委
大阪府松原市教育委員会は本年度から、大学生向けの課題解決型インターンシップを始める。教育委員会事務局に継続的に関わりながら感じた疑問や改善点に基づき研究テーマを設定し、政策提案をしてもらう。
教員養成系学部を持つ大阪教育大学、四天王寺大学、大阪大谷大学の3大学と、松原市内にある阪南大学に絞って学生を募集する。教育行政の現場では協働で課題解決に当たることが多いため、インターンシップでも3~5人程度のチーム単位での参加を基本に受け入れる。
年間で2~3チームの受け入れを想定しており、応募が多ければ書類選考で決める。同一大学での申し込みを原則としているが、類似のテーマの場合、大学混成チームも認める。
本年度の実施期間は7~12月の6カ月。学生は学習指導や働き方改革など教育課題に関する研究テーマをチームごとに決め、実習の最後に市教委職員に政策を提案する。研究に必要な情報は市教委ができる限り提供するという。来年度は前後期に分けた上で、年間を通じて学生を受け入れる予定だ。
松原市教委の美濃亮教育長は文科省出身。同省がインターンシップを始めた当時に担当係長だった。
国の重要施策を考える中央省庁で学べるとあって、大学生から多くの申し込みがあったが、受け入れの期間や実習時間などさまざまな制限があり、国会議員への説明や答弁書の作成といった「省庁らしい仕事」を経験させてあげることができなかったという。
そんな心残りから、まとまった期間参加でき、学生主体で政策提案までできる今回のインターンシップを企画した。
美濃教育長は「行政には新しいものをつくり出したり、従来のやり方を変えたりする意識が薄いので、学生たちから斬新な視点の提案をもらい、職員にも刺激を与えてほしい」と期待する。
同市教委はインターンシップの説明会を22日に実施する。