生徒指導提要の改訂は夏に延期 ウェブ閲覧システム充実へ
1面記事 文科省が改訂作業を進める生徒指導提要は、当初予定していた令和3年度内の改訂を見送り、協力者会議での議論を継続する。同省は改訂版を夏までに公表したい考えだ。3月29日の協力者会議で、同省の担当者は「内容の精査に時間をかけ、しっかりとしたものにしたい」と委員らに協力を求めた。
これまでの審議では、改訂後の構成案として、引き続き、総論部分と各論部分に分けるとした。
総論部分では、生徒指導の基本的な進め方を扱う。生徒指導の基礎や教育課程との関連はそのままに、「チーム学校による生徒指導体制」を新たに章立てしている。
この章では、生徒指導体制や教育相談体制、これらが一体となった支援などを扱う。これまでは個別に章立てされていた、家庭や関係機関との連携についても盛り込んだ。
各論部分では、いじめや不登校など、個別の課題への対応を示す。これらの諸課題は、これまで同一の章にまとめられていたが、改訂後は個別に章立てされる予定だ。
現行のものと比較し、いじめや暴力行為が先に記載されるようになる。いじめなどの各章では、学校の組織体制や未然防止、早期発見について示す。関連法規や基本方針、関係機関との連携体制についても扱う。
また、改訂後は教員が生徒指導提要をいつでも確認できるよう、文科省のホームページで公開する予定だ。目次から読みたい項目を選ぶことで、1クリックで該当ページが開ける。本文中に関連法規などが登場する場合も、その文字をクリックすることで、関連サイトにアクセスできる。
この日の審議で委員らは、「教員の持ち運ぶパソコンから、必要なときにすぐに確認できるようになると良い」と賛同した。