学校外のスポーツ活動、「指導者ら送迎」などで小学生の母親負担大きく
12面記事財団調査
笹川スポーツ財団は先月、小学生が学校外のクラブや教室などに所属して行うスポーツ活動について、保護者の関与や負担感に関する調査結果(速報値)を公表した。子どもが所属する団体全体に関わる活動で、母親の負担感が特に高いことが分かった。
調査は平成28年度に続き2回目。昨年9月、小学校1~6年生の第1子を持つ母親2400人が回答した。
子どものスポーツ活動で母親が負担を感じるのは、「指導者や保護者の送迎をする」(66・7%)が最多。次いで「練習や大会などで、指導者・保護者の食事や飲み物を用意する」(64・4%)、「大会などで、保護者や関係者が観戦する場所を確保する」(62・0%)の順だった。
母親と父親の関与を比較すると、「ユニフォームや練習着の洗濯」(63・3ポイント差)、「子どものスポーツ用具購入」(40・7ポイント差)、「子どもの送迎」(32・8ポイント差)で特に母親の関わりが目立った。
調査では、自身が子どもの頃の保護者の役割も尋ねた。「保護者が係や当番をする活動」への関与は、「母親」(22・2%)が「父親」(7・4%)を上回り、子どもたちの祖父母世代から母親が中心の構造が変わらないことが明らかになった。
同財団スポーツ政策研究所・シニア政策オフィサーの宮本幸子さんは「子どものスポーツを母親が中心となって支え、負担感が生じる事態は、社会全体のジェンダー構造を反映した問題。特効薬のような解決策は見いだし難いが、当番制や活動時間、試合への参加方法を見直すなど、スポーツ活動の在り方で解決できる部分もある」と指摘する。