大学施設にネーミングライツ 大阪教育大学と東京書籍の協定記念セミナー
近畿版会場からの質問に答える大内田准教授
大阪教育大学と東京書籍株式会社は、2020年9月にネーミングライツに関する協定を締結。同大学附属図書館のまなびのひろばと天王寺分館のまなびのひろばを、「東京書籍 Edu Studio」と命名して、デジタル教科書を体験できるコーナーなども設置されている。
2月20日には、天王寺キャンパスで2回目となる協定記念セミナーが行われた。第1部は「GIGAスクール構想元年の自治体の取り組み」と題して、大阪府の堺市と八尾市が取り組みを紹介した。堺市は「堺市におけるGIGAスクール構想の現在地」で発表。
これまでの教師を中心にICTを活用する「堺スタイル」に加えて、児童生徒の1人1台端末も活用した「新・堺スタイル」で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現をめざす。また、昨年3月に日本マイクロソフトと連携協定を締結。クラウドを活用した、学び方、教え方、働き方の3つの改革の実現にも取り組み、教員が視聴しやすいよう研修動画の充実も行っている。
次に八尾市は「1人1台端末の効果的な活用にむけて みんなでつくるGIGAスクール構想」のテーマで発表。1人1台端末の導入初期には、不安を感じる教職員が多かったので、GIGAスクール構想のメリットを感じられるような研修を行い、ボトムアップをめざす。具体的には、
(1) インターネットを活用した情報の収集と発信が容易
(2) ビデオ会議等による空間的制約からの解放
(3) オンデマンド動画配信による時間的制約からの解放
(4) データ配付やAI補助等、紙の削減及び校務負担軽減
―などのメリットを感じられる研修。毎週第2・第4金曜日の16時20分から30分だけ自由参加で行う「ホットICTサロン」なども行っている。
第2部は、特別支援教育への提案。「発達障害の基本と運動からのアプローチ 脳からの視点」のテーマで、大内田裕・大阪教育大学特任准教授が講演した。文科省の発達障害の定義には、「中枢神経系に何らかの要因による機能不全がある」という内容があり、中枢神経系とは脳と脊髄のことを指す。肢体不自由の原因も脳性麻痺が8割も占めるなど、特別支援教育に取り組んでいく上で、脳の知識は必要であると話す。
また、「発達障害に対する運動からのアプローチ」として、有酸素運動が認知機能に良い効果を与えるとも。スウェーデンの小学校の研究から、毎日体育を行う小学校は、体育だけでなく算数、国語、英語の成績が上がった例などをあげた。