児童が市のPR動画制作 「ふるさと納税」で資金集め
1面記事公開中の動画「むらやまwonderful」から。児童は、撮影直前までマスクを着け、少人数グループで撮影に臨んだという
東京・武蔵村山市
東京都武蔵村山市は、市内の小学生が同市の知名度を上げようと制作に臨んだ動画の経費をクラウドファンディング型ふるさと納税で集め、15日から完成した動画の公開が始まった(https://www.youtube.com/watch?v=YJDmvg0Trtw)。卒業を控えた市立第三小学校6年生の思いを実現させた。完成した動画には、この6年生が出演し、ラップ調の曲にのせた歌詞で同市の魅力を発信している。
このクラウドファンディングに協力した「さとふる」の発表によると、目標金額の165万円に対し、74人から166万8千円が集まった。動画制作に当たっては、プロの動画クリエーターやラッパーが協力。そうした人たちへの謝礼などに充てた。
動画の冒頭部分では動画制作に至るまでの説明があり、その後、児童が作った詞がラップ調の曲にのって流れる。自慢したい場所や食べ物を紹介する場面などロケ撮影にも臨んだ。授業中に動画づくりの時間を設けた。
完成した動画のタイトルは「むらやまwonderful」。YouTubeで見られる。
協力した動画クリエーターのチェンコ塚越さんは、数々の企業コマーシャルを手掛けた。ラッパーの「GAKU―MC」さんは、自身のホームページによると、日本サッカー協会公認の日本代表応援ソングを制作した経験を持つ。
同小学校の前川潤校長は、「新型コロナウイルスがまん延し、児童を取り巻く環境は大きく変化してしまったが、この動画制作が児童の小学校の思い出として大きく心に刻まれるものになった」と振り返っている。
ふるさと納税サイトを運営している「さとふる」によると、武蔵村山市は都内の「市」の中でただ一つ、鉄道の駅がなく、知名度の低さが課題となっている。同小学校の6年生は2年前にそのことを知り、絵本の制作・配布などを手掛けた。動画制作の経験もある。その上で、動画の完成度を高めようと、専門家の協力を得ることとした。