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はじめてでもうまくいく!1人1台端末授業ガイド&アイデア

21面記事

書評

宮本 博規・山口 修一・山本 英史・前田 浩志 編著
熊本市のICTリーダーが指南

 昨年、GIGAスクール構想が一気に加速し、全国の小・中学校で1人1台のデジタル端末活用が進んだ。世界から見ると日本は遅れていると指摘されていた教育のICT環境が整備されてきている。確かに、タブレットは子どもたちにとっては文房具の一つになってくる。実際、子どもたちの習得するスピードの速さには驚く。興味・関心があれば、自ら学び取っていくのだと納得。そこで、問題はやはり教員の指導力といえそうだ。子どもたちに育む資質・能力を確かなものにするため、デジタル機器を効果的に活用し授業改善を図ろうと多くの教員が願っているだろう。その願いに応えるのが本書だ。
 編著者は、ICT教育の先端的実践地域である熊本市のICTリーダーで、教員としての授業実践も豊富な先生方。その授業実践例が小学校全教科63点を見開き2ページで記載。単元名やねらい、指導形態、ICT機能等に加え、授業の難易度が星の数で示されているのも特色。加えて、文字入力の技能の差に応じた指導や著作権の問題など13のQ&Aも大変参考になる。
 「はじめてでもうまくいく!」というフレーズは、ICTが苦手という方に心強く響く。「不安解消の一助に」とあるように、避けては通れない1人1台端末の活用を、未来を生きる子どもたちのために推進していこうと頑張る先生方への力強いサポート書である。
(2200円 明治図書出版)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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