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学校と社会をつなぐ!これからの人づくり・学校づくり・地域づくり

13面記事

書評

藤原 文雄・生重 幸恵・竹原 和泉・谷口 史子・森 万喜子・四柳 千夏子 著
確かな実践踏まえた熟議を採録

 本書は、国立教育政策研究所初等中等教育研究部長の藤原文雄氏を司会に、校長やコミュニティ・スクールの実践家5人が、平成27年の中央教育審議会答申「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」に示された三つのビジョン、

 (1)「地域とともにある学校」への転換
 (2)「子どもも大人も学び合い育ち合う教育体制」の構築
 (3)「学校を核とした地域づくり」の推進

 ―を取り上げ、現状と課題やビジョンを実現するための方策等について話し合った、10時間に及ぶ熟議の記録である。どの発言も、長年にわたる確かな実践に基づいており、評者も多くの刺激を受けた。

 学習指導要領改訂に伴い「社会に開かれた教育課程」「地域とともにある学校」の推進は喫緊の課題である。しかし、コミュニティ・スクールの導入率は全国で33%と低く、学校の反応は鈍い。「社会に開かれた教育課程」は外部人材を活用することだと誤った認識を持つ校長、教員は少なくない。
 本書で述べられているように、学校が令和の教育改革を実現するためには、教職員、保護者や地域住民が相互にリスペクトし、対等な立場で建設的に対話し、合意形成を図り、協働して実現していくプロセスや場が必要である。
(2420円 学事出版)
(新藤 久典・文部科学省学校業務改善アドバイザー)

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