工業高校魅力化へDX人材の育成推進
3面記事東京都教委
東京都教委は、Society5・0を支える工業高校の実現に向け、学習内容の検討や工業高校の魅力化を進めている。同教委は11月25日、その取り組みについて中間まとめを報告。DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成や「工業高校」という名称の変更を目指す。
この取り組みは「Next Kogyo START Project」と命名。Society5・0社会で求められる人材を輩出する工業高校を目指し、推進すべきことなどをまとめた。
工業高校の将来像として「技術の力で新たな価値の創出や課題解決を目指す力を育む学校」を掲げた。そのための施策として、
(1) DX人材育成等に向けた先進的な工業高校の実現
(2) 未来を切り開く教育内容・指導法の展開
(3) 生徒が躍動する研究機会の創出
(4) 魅力の向上・発信
―の四つに取り組むとした。
具体的な取り組みとして、新しい学科を設けるなどの学科再編を挙げた。北豊島工業高校の総合技術科を都市防災科に改編。首都東京の防災について学ぶ。蔵前工業高校の機械科にロボティクスコースを展開することを想定しているという。産業ロボットについて学び、製造業でニーズの高い人材を育成する。
また、工業高校の魅力化の一環として、「工業高校」という名称の変更を検討。今後の工業高校の将来像に合うような名称へ、令和5年度の変更を目指す。
11月から来年1月にかけて、パブリックコメントを実施。2月下旬に同プロジェクトの内容を確定し、公表する。
DXとは
経産省が平成30年にまとめた「DXガイドライン」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と位置付けている。