授業交換などで実施を 小学校教科担任制巡り財政審が提案
2面記事 文科省が来年度からの段階的な導入を目指している小学校高学年の教科担任制を巡り、財務省の財政制度等審議会の歳出改革部会は1日、教員数増ではなく、担任間での授業交換や学校間連携などによる実施を求めた。特に小規模校では、中学校教員を活用することで教科担任制を導入できるとの考えを示した。
OECDや文科省の統計を基に、日本の小学校教員の年間持ちコマ数が747時間と主要先進国の中で低水準であることや、中学校の3学級以下の小規模校では、持ちコマ数が週12時間と少ないことなどを根拠にしている。
同部会では、教科担任制について「英語の教科化と異なり年間の授業時数増を伴うものではない」として担任間の授業交換などを提案。それにより授業準備が効率化できるなど教員の負担軽減となる面もあるとした。
また、理科では既に教科担任制を実施している学校が約5割に達することも指摘し、効果の高い科目に限定して措置することを考えるべきだと提案した。
文科省は、小学校高学年の教科担任制について「理科」「算数」「外国語」「体育」の4教科を優先的に実施する考えで、来年度2千人の教員加配を要求。令和7年度までに8800人を増やす方針を示している。
会議では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについても指摘した。相談内容によって業務量が異なり、一概に比較はできないとしながらも、都道府県によるばらつきがあるため、必要性や効果に応じて人の配置を調整する余地がある、などと指摘した。