日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

GIGAのつまずきに徹底対応!1人1台端末活用パーフェクトQ&A

18面記事

書評

佐藤 和紀・三井 一希 編著
アンケートで浮かんだ課題に対応

 コロナ禍で前倒しされて配備された1人1台端末。端末を活用した授業の経験もなく、イメージが持てない教師にとって、毎日が不安と試行錯誤の日々ではないだろうか。それを解消するため、昨年以前から1人1台、あるいはそれに近い環境で実践してきた先生に、「よく質問されること」「周りの先生が授業で困っていること」「授業以外の場面で困っていること」についてのアンケートを基に構成されているのが本書である。
 カテゴリーは八つ。端末の環境、情報モラル、学習規律・ルール、児童・生徒のスキル、健康面、保護者や家庭との連携、授業づくり、教師の意識・教師の活用。質問に対し、先行してきた実践者が答えるQ&A形式となっており分かりやすい。
 第1・2章は小・中学校の、第3章は管理職のQ&A。そして、それらを挟むように、先行し取り組んできた学校を観てきた専門家が何を感じ、何を必要だと感じてきたかがつづられている。GIGAスクール構想の考え方、見方・考え方と端末との関係、情報活用能力・思考ツール、学級経営など、多岐にわたる。
 GIGAスクール元年といわれる年の発行は、先生たちの推進を後押ししたいという編著者の熱いメッセージ。情報端末が文房具化し、学習効果を発揮するため手にしてほしい良書である。
(2530円 明治図書出版)
(伊藤 敏子・仙台市教育局学びの連携推進室専門員)

書評

連載