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一刀両断 実践者の視点から【第93回】

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論説・コラム

大学の質を問う

 学生を臆病にしているものは何か。大学が学歴として評価されなかったら大学へ行くだろうか。大学での学費が無料なら学ぶだろうか。大学の質について考えたい。
 ある大学の元友人教師は、自分が講師をする研究校の職員の相談を受けているうちに男女関係になり、その最中に脳血栓となり救急車で運ばれた。昏睡状態の時に不倫相手の名前を呼び続けていたと言う。病室には奥さんと子どもと不倫相手が居たのだから絶句してしまう。
 それでも別れずに関係を持ち続け、半身不随で言語も儘ならなくとも、70歳まで毎年1300万円そこらを支給されている。こうした人物が教職を教える要職として君臨するのだから強烈である。「恥を知れ」と辞職を促したが逆に私が首にされてしまった。
 この事実を学生も大学も知っては居るが、それを理由には辞職は迫れないのが今の現実である。学生は何を信じ、敬意を払えばよいのだろうかと問いたくなる。
 ある名物教授は、教えている学生との生活が日常化し、奥様からも離婚を迫られ、実子からも絶縁になっている。こうした者ばかりではないが、権力と財力を得ると慢心となり欲に走るものである。元小学校の教師ならば、せめて、「自らが最大の教育環境である」という自負を持ってほしいものだ。その意味でも教職を教える教師の選考方法や倫理基準があまりに曖昧だから、学生の魂に響く教育が出来るはずがないと、私は痛感している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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