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クラスが笑いに包まれる!小学校教育漫才テクニック30

16面記事

書評

田畑 栄一 著
創造力や自己存在感が育つ

 現職の公立学校の校長が書いているということに注目したい。すなわち自らの実践を堂々と披歴しているのである。こうした時代が加速しているように私には思える。実に喜ばしいことである。
 笑いがあふれる学校が、どれほど魅力的で要望されていることだろうか。それを阻むものへの強烈な対抗策を「教育漫才」として笑いを通じて、子どもたちの創造力や自己存在感に加えて情報収集能力、構成力、語彙力が育つことは容易に想像できる。また、悪口などのマイナス言葉は使わない、蹴ったり殴ったりする行為はしない、というルールの上で笑いを取る。あのセーラームーンの主役を演じた女優が、観客を「泣かせる」ことは難しくはないけれど、「笑わせる」ことがとても難しいと教えてくれたことを、今、鮮明に思い出す。
 本書はテクニックとして、コンビの組み方、ネタのつくり方、ネタ合わせ、改善、発表当日まで30のタイトルごとにイラストや写真、シナリオ付き見開きで解説しているから分かりやすい。高学年にもなれば、その見開きを渡して解説を加えて考えさせれば、すぐにでも取り組める内容になっている。国語や総合的な学習の時間、そして特活などにも応用範囲は実に広いと感じられる。
 先生方も、この教育漫才をぜひ取り入れて学年集会などで披露してみてはどうだろうか。さらに教員養成課程にも組み入れて、笑いから教育現場を変えてほしいものだ。
(1980円 東洋館出版社)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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