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一刀両断 実践者の視点から【第60回】

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論説・コラム

地球環境の変動と教育

 地球環境の変動が加速度的に人類への怒りを込めて進んでいる事が確信できる。身近な生活を見渡すと、地球の資源を人間が利用しやすいように加工したものばかりではないだろうか。謙虚に、自然を分け与えてもらう姿勢が失われた結果なのである。
 この背景に便利、利益という欲望の肥大化がある。因果応報となっており、それを自らに問わないで他人事にしているのだから改善は期待できない。
 ならばどうするのか。簡単である。人によって起こされた結果ならば人によって改善するしかない。
 その意味で、幼児教育や初等教育において、徹底した自然への畏敬を、体感的に学ぶ必要がある。わずかな自然体験というレベルではなく、義務教育期間の半分は便利な生活から離れて、自然の中で生活する、生き抜く教育を人類にもれなく与える必要があるというのが持論である。
 そうならないのは、いわゆる専門家や研究者そして政治家が言動不一致で便利な生活を享受しているからなのではないだろうか。便利さの中に本当の知恵や謙虚さは生まれて来ない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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