資金提供なしの「SSH」認定枠を 実績積んだ高校など対象に
2面記事文科省有識者会議提言
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の今後について検討してきた文科省有識者会議は5日、第2次報告書をまとめ、この事業を実施した実績がある高校・中等教育学校の中から、国による資金提供を行わない枠を設けることなどを提言した。実施校の総数は、本年度の218校から、高校・中等教育学校の総数の5%に当たる250校にまで引き上げることが適当だとした。
この事業は平成14年度に始まり、以来、約20年が経過した。令和元年には、財務省が「交付額の抑制・補助形式の導入・継続指定は2期までとするなど採択基準の厳格化・指定期間終了後の自走化等に向けた取組方針が明確である学校に限定といった見直しを行うべきではないか」などと指摘していた。
この検討会議は、それらを踏まえて、審議を重ねてきた。
国の資金を投入しない「認定枠」は、国が主催するSSH生徒研究発表会やSSH情報交換会などへは参加できるものと位置付けた。令和4年度以降に導入する。参加するための交通費などは支給するべきだとした。
科学技術人材育成の全国的なモデルとして、これまで培ってきた特色や強み、SSHの指定を受けていた学校としての認知度やブランドを生かして、さらに取り組みを進める。これまでの仕組みと同じように5年ごとに国から指定を受ける仕組みとした。
従来通り、国から資金提供を受ける枠は「事業枠」と位置付ける。事業枠での研究期間が終わってからの支援策として、外部資金の獲得・活用を挙げた。国がそうした資金に関する情報を集約し、うまく活用している事例を発信するなどとしている。
これまでの例として、生徒が将来、研究職に就いたときに備えて、生徒に外部資金を申請させるといった例があったとした。
今回の報告書で、国からの資金提供がない「認定枠」をどのくらいの割合で設けるかは示していない。