今こそ平和・命の尊さを学ぼう ホームページオンラインミュージアムで館内案内
11面記事「オンラインミュージアム」学芸員による展示解説
知覧特攻平和会館
鹿児島県南九州市にある知覧特攻平和会館は、第二次世界大戦末期の沖縄戦で、敵艦に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員(特攻隊)の遺品や関係資料を収集・展示する博物館だ。
同館の公式ホームページでは、教育旅行の事前学習・事後学習にも活用できる「オンラインミュージアム」が好評だ。コロナ禍により、新しい生活様式が浸透し、インターネットを活用した多くのサービスがあらゆる分野で普及する中、特攻の歴史や平和学習に関心のある方にわかりやすく情報を提供し、興味を深めてもらいたいという願いから、ホームページのリニューアルに合わせ「オンラインミュージアム」と名付けたページを開設した。
「オンラインミュージアム」は、10分間の紹介動画、館内外を360度画像で閲覧できるGoogleインドアビュー、歴史を学び始める小学生向けのページ、学芸員による展示解説、周辺の戦争遺跡解説動画のほか、フォトギャラリー、デジタルコンテンツからなり、事前学習にも活用できる。
特に、学芸員による展示解説は、3人の学芸員がそれぞれ約5分間の動画で展示の見どころを紹介する内容で、訪問の前にはぜひ、下見しておきたい。
館内での平和学習のモデルコースは90分で学ぶことができる。まず、語り部の講話を30分聞き、セレモニーの後、当時を知る関係者の証言映像の視聴や、遺書や手紙を読むなど、館内を自由見学する。
特に語り部による講話は、今だからこそ有意義な体験となるだろう。地元知覧町出身の語り部は、特攻の歴史的背景と、隊員の遺書や手紙の特色について解説しながら、学校で勉強し、友達と修学旅行に行き、家にまた帰ることができる日常がいかに平和でありがたく、かけがえのないものであるかを伝えてきた。
戦後70年以上が経過し、戦争体験を聴く機会が少なくなる一方、ロシアによるウクライナ侵攻などの報道を目にする機会が増えている今こそ、同館を見学することで、平和の大切さや命の尊さについて、子どもたちは新たな気付きを得られるだろう。
問い合わせ=知覧特攻平和会館 電話0993・83・2525