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保護者と語りたい子育て話材50

12面記事

書評

北 俊夫 著
豊かな関わり方、粋なタイトルで

 「どうして?」「なぜ?」と幼児や低学年児童は、よく質問をしてくる。不思議がいっぱいなのだろう。そこで大人はどう対応するか。
 本書は、子育てにおいて大事にしたい子どもの見方や観察の仕方を50例示す。その中に「不思議発見の名人―素朴な『なぜ』を大切にしたい」という章がある。質問してくる子どもに対し、忙しさにかまけ「あとでね」と言いながら、そのままにした経験をお持ちではないだろうか。子どもに共感したり分かりやすく答えたりすると、学ぶ楽しさを知り、そして自分の可能性を広げることにつながる。素朴な「なぜ」「はてな」に真摯に向き合い、誠意をもって接することが、子どもの発想力や創造力を伸ばすことにつながると著者は語る。大人の反応次第で、その芽が摘まれるとしたら怖いこと。だからこそ、保護者と子育てについて語り合うことが大切だ。
 本書の50例の話材が、そのきっかけづくりをしてくれそう。著者の具体的な経験に加え、話題に上ったニュースなどから話材が提供されているので、保護者と共に子育てについて話し合いが弾むだろう。例えば「アリとトンビとトンボ―『三つの目』で子どもを観る」「子どもが育つ魔法の言葉」「褒めるコツは『さ行』」など、魅力的なタイトルを見ても読みたくなる。本書を通し子どもとの豊かな関わり方を共に学んでいきたい。
(1320円 文溪堂)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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