日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

コロナ時代に考えたい学校問題【第189回】

NEWS

論説・コラム

教員の性意識を育む

 教員の性意識は、どこでどのように培われるのだろうか。その立場を利用し児童生徒を誑かして性的欲求を満たそうとする者がそこかしこに居るかのように報道されている。
 私の回りにも「出来ちゃった結婚」をした同僚や職員が数人いた。時代の変化から目新しいことではなくなって来ているのも事実である。一昔前なら同棲も口にはしにくかったが、今は奨励する傾向もある。
 さて、性をどこでどのタイミングで教えればよいのだろうか。その欲求は自然のものであり理性や節操によって制御されてはいるが、その程度は人によって異なり、人に見えないところとなると行動はまた変わってくる。
 欲求のみを満足させるのが目的か、その人が愛おしくて心も体も求めるのか、さらに家族の構築までも意識して、性交渉となるのか、はたまた精神のみで満たされたいと思うのか。このように様々な有り様を具体的に教え、考えさせる場を設けて、LGBTQなども含めて理解する必要が特に必要だと思える。
 このような基本的なことがらを教育で扱っていないのは、極めておかしな事ではないだろうか。性犯罪に走る人のほとんどが、マンガやテレビや小説の世界をイメージして行動しているように見える。これを改めるための教育は重要にして早急に取り組むべき事ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題