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コロナと闘う学校 全国120校が直面した課題と新たな教育環境の可能性

16面記事

書評

川崎 雅和 編著
事務職員が見た現実と将来像

 コロナ禍の影響を受け、休校や分散登校などを経験した後の昨年6月下旬から7月上旬、全国の公立小・中学校などの学校事務職員を対象に「COVID―19」に関する緊急アンケートを編著者らは実施した。寄せられた120校の回答を基に、本書は編まれている。
 調査は対応・対策で困っていること、今後の検討課題、学校としての独自の工夫、他校での対策、コロナ禍であらためて気付かされたこと、休校前・休校中・学校再開後に児童・生徒、保護者、教員に向けた情報発信の有無と内容―などを自由記述形式で聞いたものだ。
 回答を読み解きながら、私たちは何と闘っているのかを皮切りに、果てしない感染防止の取り組み、教育委員会との攻防、子どもたちへ及ぼす心理的な影響、オンライン学習の成果と課題、今後の働き方への展望を全6章に収めた。特別インタビュー「なぜ権限のない首相による一斉休校要請に教育委員会は追従したのか」(前川喜平氏)も収録する。
 本書の約3分の1を費やし緊急アンケート全回答を掲載し、課題と共に教育や学校の可能性を浮き彫りにした。とりわけ一過性のコロナ対策として終わらせない活動は何か、学校予算の有効活用のありよう、学校事務職員とテレワークの在り方、特別支援学校での学びの保障の手だてなどは教員、行政も含め検討すべき課題として読後に残る。
(2200円 学事出版)
(矢)

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