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コロナ時代に考えたい学校問題【第182回】

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迷惑行為を注意しない時代に

 《18歳少年、刺され死亡 「うるさい」と注意し口論か》という見出しの記事の掲載(FNNオンライン)があった。自動車の中から大音量を流していた人に注意をした事の結果だという。こうした迷惑行為を注意できない社会が広がっているように思えてならない。
 最近はSNSのやり取りが多く、通話はあまりないが、以前は平気で電車内で電話をしている人が少なくなかった。ある時、特別支援学校の生徒が電車に乗ってきて、こう叫んだ。「電車の中で電話をしないと、先生は教えてくれた。でも、やってるのはみんな大人ばかり、その大人を注意しないのも大人、へんだよな」であった。率直であり、その通りである。
 今回の事件の加害者が捕まっても、死刑になることはまずない。青年の未来を奪っても数年の拘束で出てくるのが今の罰則なのである。遺族はこの現実をどのように受け止めるのだろうか。明らかに現実と乖離している法律が存在する。犯罪者への処罰は、軽すぎる気がしてならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題