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コロナ時代に考えたい学校問題【第178回】

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教員不祥事と監督責任

 「進路指導で呼び出し、空き教室でわいせつ写真撮影」との記事を読んだ。中学校の教員が免職になったそうである。懲りないやからがまたもやらかしている。
 こうした案件に後手にまわる教委や学校を批判する人が多くいるが、どのようにすればよいのかと問われたら、実効性があり、納得できる対策を打ち出せるのだろうか。それを思い付かないのに、批判ばかりするのは誰でも出来る。
 不祥事を起こす行動や心情をいかにして早期に見抜けばよいのだろうか。そのノウハウを示してもらいたいものである。結果として管理職にも責任をとらせるのは、理不尽極まりないのではないだろうか。
 監督責任というのならば、監督としての権限を与えない限り監督としての指導や管理はできない。その事をわかっていて、効果のない処分をするというやり方は、そろそろやめた方がよいのではないだろうか。
 批判や管理と信頼は裏腹であるが、信頼されるほどに親しくなれない環境を、社会が、教職員組合が、組織よりも個人の尊重を学校に求めてきたのだから当然の結果ではないだろうか。ほとんどは気の毒な話である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題