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困り方に寄り添う算数授業を紹介 前筑波大附属小副校長が書籍

8面記事

書評

 (株)文溪堂はこのほど、「子どもの『困り方』に寄り添う算数授業」を刊行した。著者は前筑波大学附属小学校副校長で、真の授業人を育てるための教師教育に取り組む「授業・人」塾代表の田中博史氏。本書は、子どもの困り方に寄り添うことで見えてきた算数授業づくりの新しい提案をしている。
 全4章。第1章は「田中博史流『授業の構え』子どもの困り方に真摯に向き合うために」がタイトルになっている。子どもたちが安心して自然体になれる算数授業づくりには、「授業者の繊細で緻密な用意と、心遣いが必要」としている。
 最初に取り上げるのは、「授業ははじまってから10分が勝負」という内容。子どもたち全員に「自分が解く」という自覚を持たせ、人任せにしない教室の空気をつくる重要性などに触れている。具体的な場面を扱った解説もあり、授業づくりの参考にする上でイメージがしやすい。
 第2章では、割合の授業の具体から子どもの困り方に向き合う実現方法を、第3章では、イメージできるのにしない子どもたちに触れ、形式化を急がせ過ぎた算数教育の反省について扱っている。
 第4章では、本書で扱う子どもの思考を深める「4マス関係表」という手だてを提案することになった背景や経緯などを詳しく説明している。問題解決の際の処理の仕方は一通りではなく、その種類によって解決するためのツールを使い分ける力が必要だという。
 A5判、184ページ。定価1870円(税込み)。
 文溪堂=https://www.bunkei.co.jp/

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