教育の情報化推進フォーラム オンラインで開催
7面記事GIGAスクール構想という教育の情報化における大きな動きを受け、一般社団法人日本教育情報化振興会では、未来に向けた教育のあり方を考えることに焦点をあて本年度のフォーラムを3月5日(金)と6日(土)の2日間、オンラインで開催する。注目の講演やプログラムなど同フォーラムの趣旨や見どころを紹介する。
「GIGAスクールで拓く学びの未来」をテーマに
山西 潤一 一般社団法人日本教育情報化振興会会長
一般社団法人日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)では、教育の情報化に係る国内外の調査研究や普及啓発活動を行ってまいりました。この度、一年間の活動の総決算として、「GIGAスクールで拓く学びの未来」をテーマに、教育の情報化推進フォーラムを開催させていただきます。例年は大勢の参加者の皆さんが一堂に会してのフォーラムですが、今年は新型コロナの感染拡大に伴い、オンライン開催とさせていただきました。
さて、この一年の大きな動きは、なんと言ってもGIGAスクール構想です。一人一台端末と高速大容量の通信ネットワークの整備で、いつでもどこでも学べる教育ICT環境が実現されました。新型コロナの感染拡大で昨年は学校が長期間に渡り休校になり、児童・生徒の学びの保障のために学校と家庭を結ぶオンライン双方向型授業への要求が高まったことも、GIGAスクール構想の整備を早める結果になりました。
令和の学びのスタンダードとして、このGIGAスクール構想でユビキタスな学習環境が整ったいま、Society5・0時代を生きる児童生徒の資質・能力を育成するために、従来のICT利活用はもとより、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、子どもたち一人一人に公正に個別最適化された、新たな学びや教育が模索されています。
そこで、本フォーラムでは、先生方の日々の実践に役立つ情報はもとより、未来に向けての教育や学びのあり方を考える内容を大きく取り上げました。まず、最初に基調講演として、文部科学省審議官の塩見みづ枝氏に「教育の情報化の現状及び今後の展望について」をお話していただきます。つづく特別講演として、ATR脳情報通信総合研究所所長の川人光男氏に、最新の脳科学の研究成果をもとに社会がどう変わるか、「脳科学とAIで探る脳変容の未来」と題してご講演いただきます。
基調講演、特別講演をとおして、現状の教育から未来の社会と教育を考えるヒントがきっと得られることでしょう。また、最後の総括パネルディスカッションでは「デジタル化時代の学びと学校の未来―次代を作る人材をどう育てるか―」とのテーマで、PCが真に児童・生徒の学びの道具となったいま、21世紀型スキルやOECD2030が求める資質・能力をどう育てるか、個に対応したオンライン学習も進み、従来型の教育方法や学校のあり方そのものが問われるなかで、自律的主体的で自らの将来に向け学び続ける次代を担う人材をどう育てるか、デジタル化時代の学びと学校の未来について、デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授他のパネリストで考えたいと思います。
このほかにも、GIGAスクール時代に対応した授業づくりや情報モラル教育、プログラミング教育など、各分野の専門家や先進的に取り組んでいる教員によるセミナー、本会主催で毎年実施しているICT夢コンテストに応募された300件を超える学校から、優秀・優良校として受賞された32件の実践事例発表など、日々の授業づくりに役立つ内容や会員企業によるICT関連製品の紹介なども行われます。明日の授業づくりから未来の学びを考える本オンラインセミナーに、多数の皆さまのご参加を期待しています。