「あたらしい学び」のつくりかた
16面記事“先生の先生”が集中討議!2 子どもも教師も元気になる
堀田 龍也・赤坂 真二・谷 和樹・佐藤 和紀 著
コロナ禍、GIGAが変える“教室”
教育工学・情報教育、学級経営、教育技術の先達らがICT教育を専門とする進行役と共に、コロナ禍やGIGAスクールという変化の時代にあって、これからの学びや教室の在り方などをオンラインで語り合った。『「これからの教室」のつくりかた』に続くシリーズ第2弾。前倒しとなったGIGAスクールは、第1弾で語られた“未来の教室”を現実の教室に変えた。時間が一気に早送りされた現状を反映したのが本書だと言えよう。
本書でいう「教育のデジタルトランスフォーメーション」は「子どもの力を最大限引き出すために、デジタル技術をデフォルト(通常)として活用し、より効果的な教育を実現すること」。実践から生まれたオンライン授業で教師に必要なベーシックスキルや効果的な同時双方向的な授業技術、配慮点を含めたオンラインでの人間関係形成のノウハウなど、具体的な言及は、デジタル技術活用が日常化した教育の世界をイメージしやすい。
一方で、コロナ禍で顕在化した教育体制の硬直さ、コンピュータ活用したPISA調査で低かった読解の正答率も課題視しながら、今後にどう備えるかも語られる。
平時でのオンライン学習導入などの提案は有用だろう。早送りされた時間に教師や教育組織がどう追い付き、その際考えるべきことは何か。そのヒントが随所にある。
(2970円 学芸みらい社)
(矢)