もりねこ
14面記事くさか みなこ 作
品田 紗桜里 画
あるところに、とても大きなネコがいた。眠っている姿は、まるで森のようだ。そのネコを他の動物たちは「もりねこ」と呼び、怖がって近づかなくなった。
もりねこは何年もひとりぼっち。昼間は眠って、夜になると海に行き魚をおなかいっぱい食べる毎日。「ひとりぼっちも きらくでいいさ」「ひとりのほうが きらくなのになあ」と小さくつぶやきながら、ちょっぴり強がっている。
そしてある日、もりねこの背中に小鳥たちがやってきて…。
最後には、「ひとりじゃないのも わるくはないな」とつぶやく。
もりねこの気持ちが少しずつ変わっていく様子に心引かれる。
もりねこの豊かな表情から、その心情の変化を感じ取れる絵本。(幼児から)
(1430円 文研出版 Tel03・3814・5187)