感染予防、コロナ禍収束まで「保健室登校」制限を 相談活動で見解
1面記事養護教諭関連学会
養護教諭による相談活動について研究・啓発などを行っている日本健康相談活動学会(三木とみ子理事長)は、児童・生徒が自分の教室ではなく保健室で過ごす「保健室登校」について、コロナ禍が収束するまでは、控えるべきだとする見解をまとめた。
発熱がある児童・生徒との空間分離が難しいといった実態があるため。養護教諭を主な対象に参考資料として公表した。この参考資料では、オンラインでの健康相談の在り方なども示した。
同学会は新型コロナ問題が深刻化した後の昨年5月と8月に、養護教諭を対象にインターネットで実態調査を行った。それを踏まえた見解を1月31日付でまとめた。
保健室登校は「不登校状態から再登校を目指すステップ」などと位置付けた。実態調査からは、「狭い保健室では、発熱がある者とそうでない者を区別するなどのゾーニングが困難」「保健室登校児への対応が困難」といった声が上がった。
新型コロナウイルスについては、「未知の感染症」であるとして、「一時的に保健室登校を中止する必要がある」との考えを表明。留意点として、「本人がどのような気持ちになっているのか、どのような段階なのかを分析するとともに、保健室登校時の支援の質や、同じような気持ちを保てるような環境整備と新たな校内支援体制の構築が必要」とした。
不登校問題は、8月の調査で4割ほどの養護教諭が保健室登校を含めて「増えた」と回答した。新型コロナウイルスそのものが原因で、不登校となった児童・生徒に注意するよう求めた。
一方、不登校の児童・生徒に対して、オンラインでの健康相談を積極的に試みることも大切であると訴えた。
オンラインでの相談業務は、電子メール、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、テレビ会議システムの利用を想定。オンラインだけでの相談は不十分だとして、対面との併用を求めた。また、健康相談の導入として位置付けることが望ましいとの考えも示している。