発達障害者の声生かしたノート 寄付募り、種類増やす
3面記事シート型も製品化 大阪の企業
発達障害者の意見を基にノートを開発した大栗紙工(大阪市)は、先月からクラウドファンディング(CF)で資金を募り、種類の拡大を目指している。発売以降に寄せられた要望に応えるため、2種類から36種類へ増やす。特別支援学級などの子どもたちが使いやすいよう、シート型のA4用紙も新たに製品化する。
同社はノートの開発に当たり、発達障害者の支援団体と共に当事者100人を対象にアンケート調査を実施。「紙からの反射がまぶしくて文字が書きにくい」「いつの間にか書いている行が変わってしまう」「けい線以外の情報が気になって集中できない」という三つの困り事が分かったという。
こうした意見を反映し、同社が昨年2月から販売している「mahora(まほら)ノート」では、太いけい線と細いけい線を交互に引いた「レモン」と行ごとに色を付けた「ラベンダー」の2種類(いずれもセミB5サイズ)を用意した。
その後、購入者から新たな要望が届いていた。緑色にこだわりのある人が多いこと、就職活動時や職場ではメモを取る機会が多く、携帯に便利な小さめサイズが求められていること、特別支援学級では使用方法の自由度が高いシートタイプが好まれること…。
さまざまな困り事を抱える人々に役立ててもらおうと、同社では新色の「ミント」、B6・A6・B7と小さいサイズのノート、A4サイズのシートを新たに製品化することを決めた。
CFは20日まで。既に目標金額の10万円を大幅に超える支援金が集まっているが、同社は「一人でも多くの人にノートを知ってもらい、必要とする人に届けたい」としている。
寄付すると、このノートを通常価格よりも安く入手できる。
詳細はクラウドファンディング専用ウェブサイト(https://camp-fire.jp/projects/view/352271)へ。