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児童・生徒のコロナ感染、1カ月で2倍に

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 新型コロナウイルスに感染した児童・生徒は1カ月間余りで2倍近くに増えたことが文科省の集計で分かった。学校内での集団感染の例が少ないことを踏まえ、文科省は5日の通知で、地域一斉の学校休業は、社会活動全体が停止するような場合でなければ避け、児童・生徒や教職員が感染しても1人だけなら休業しないよう求めた。高校の部活動に関して、感染リスクが高い活動を一時的に制限することを検討するなどの対策も掲げた。

文科省「学校休業は回避を」

 この通知では、昨年6月から12月までの学校関係の感染状況を明らかにしている。文科省が国公私立学校の設置者から12月31日までに受けた報告を集計したところ、小・中学校、高校、特別支援学校は、児童・生徒合計で6159人が感染した。教職員は830人が感染した。
 11月25日までに報告を受けた件数と比べると、児童・生徒は1・9倍(2859人増)、教職員は1・8倍(359人増)となった。1カ月余りで2倍近くに増えたことになる。
 12月末までの集計結果のうち、何らかの症状が出た割合は児童・生徒が48%、教職員が76%だった。重症に至った児童・生徒はゼロ、教職員は2人だった。死亡例は把握していないという。
 感染経路別の内訳で、「学校内」の割合は、児童・生徒が16%、教職員が14%だった。集団感染の状況は、同一の学校で2人以上の人が感染した事例を集計して明らかにした。533件中、10人以上の感染者が確認された事例は41件にとどまった。
 幼稚園では、235人の園児と139人の教職員が感染し、症状が出た割合は、それぞれ34%、81%だった。重症に至った例はなかった。感染経路が園内だった割合は園児が12%、教職員が19%だった。
 感染症対策の学校休業は教育委員会などの学校設置者が決める。文科省は昨年12月3日に改訂した衛生管理マニュアルで、児童・生徒、教職員が感染した際、すぐに休業し、保健所による検査などを行う対応をやめることとした。まずは、保健所などと相談して休業とするかどうかを判断するよう求めている。

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