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不登校の予防と対応

15面記事

書評

会沢 信彦・諸富 祥彦・大友 秀人 編著
子どもとの信頼関係築く基礎・基本

 高止まりする不登校児童・生徒数を背景に、その対応として「中1ギャップ」の解消のための小中一貫教育の導入、不登校状態にある児童・生徒への教育を受ける権利を保障する、いわゆる「教育機会確保法」の制定など、さまざまな手だてが取られてきた。
 では、不断の努力が求められる学校は何をどう取り組めばいいのか。教育カウンセリングを主にして平易に解説したのが本書である。
 学校、学級担任、チーム学校として行う予防や対応の基礎・基本をI部で示し、II部には教育カウンセリングを生かした予防や対応の在り方をまとめた。
 教育カウンセリングの基本精神は、常に少数派の味方であり続けること。それにより、「命がけで別室に登校している」「子どもの立場に寄り添うこと」が可能になり、「待つ」ことができるようになるという。
 一方で、社会性育成のプログラムを取り入れるなど、学級経営の中で実施する「こちらから打って出るカウンセリング」もまた教育カウンセリングの基本精神だという。
 来談者中心療法、行動療法、精神分析などさまざまなアプローチの仕方、アセスメントの技法も紹介。個別面接の技法、ピアサポートなどのグループアプローチ法とともにコロナ禍でのグループアプローチの工夫も示した。
 児童・生徒との信頼関係を構築するための「基礎・基本」が凝縮されている。
(2420円 図書文化社)
(矢)

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