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令和2年臨時国会質疑から【第4回】

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 12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、斎藤嘉隆議員(立憲民主党)が臨時の学校休業に伴う再開支援経費を取り上げ、冬季に向けた方針を質問。文科省側は検討したいとしている。

「感染症対策・学習保障などの経費、執行状況は」
 斎藤嘉隆議員(立憲民主党) 政府のコロナ対策の二次補正であった学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援経費についてお伺いをします。人的体制強化にこれ三百十億円、学校再開、学習保障支援経費に四百五億円。今現在の執行状況はいかがでしょうか。

「満額近くを執行」
 文科省初等中等教育局長 四百五億円の補正予算で付けていただいた学校再開支援経費ですが、数次にわたりまして執行を繰り返してきました。現時点でいうと、九九%超、ほぼ満額に近い形で執行させていただいております。

「人的体制強化は」
 斎藤議員 人的体制強化、さっきあったスクールサポートスタッフとか学習支援員とか教員加配とかですね、こちらはいかがですか。

「ほぼ100%」
 文科省初等中等教育局長 データの時点によりますけれども、そちらの例えばGIGAスクールのサポーター等については、私の今手元にあるデータでは、執行率でいうとまだ三二%ですが、このGIGAスクールサポーターは、どちらかというと、端末が学校に調達をされて、初期の対応等について対応するのがメーンの仕事でございます。
 全国的には端末が学校に入るのは、十二月末で約三割、三月末でほぼ一〇〇%になりますが、一部、済みません、大変恐縮ですが、先生の御地元とか年度を越えてしまうというところもございますけれど、全体としてはほぼ一〇〇%でございます。その調達がちょうど進んでいくに従ってまたこのGIGAスクールサポーターはもっとニーズが高まると思っておりまして、追加のニーズを聞いた上で追加の内定やら交付決定やらは進めていきたいと思っております。

「学校再開支援経費、冬季の対応は」
 斎藤議員 学校裁量で活用できる学校再開支援経費というのがあって、もちろん学校規模によって金額はまちまちです。百万円、二百万円、三百万円、いろいろあるんですけれど、これ、なかなかこういう形の予算ってこれまでなくて、私は、これ、文部科学省さん、実に良い施策だったんじゃないかなというふうに思っています。
 学校ごとに必要な対応、対策はまちまちなので、学校ごとに使い道を定めることができるという予算というのは、本当にある意味で現場に資するものだったなというふうに高く評価をしています。
 これからはもう寒いんですよ。寒いので、寒さ対策とコロナというのに非常に苦慮しているんですね、今。窓が開けられないし、でも開けなきゃいけない。開けると暖房がなかなか効かない。特に、寒冷地であればなかなかそういったことも厳しいので、いろんな工夫を現場が今しています。
 光熱費も異常にかさむ状況がもう既に出ていて、これ実は、こんなのはもう市町村の予算だろうとおっしゃるかもしれないけれども、なかなかこういうのも市町ごとに、じゃ、もう光熱費掛かるから、ちょっと何十万円か学校経費余分に学校に回しましょうなんて自治体も実際そんなにないんですね。
 非常に困っているので、教室を暖かくするためにほかの部屋はちょっと暖房を控えようかとか、そんなようなことさえ出ている状況なんで、私が申し上げたいのは、是非これ、学校再開はしましたけれども、学校ごとに活用できる、こういう使い勝手のいい学校裁量の予算をもう一度検討していただくことは難しいでしょうか。予備費も何兆円もあるんだから、もう与党の先生方がそれは決断していただければ、あとは大臣がそれに応えていただければ、これはいいと思いますよ。
 文科省さん、この予算は本当に良かったと評価しているんです。この冬バージョンの、寒さ対策も含めたコロナの感染拡大防止のための学校支援予算というものを具体化をして、是非予算化をしていただきたい。これは当初予算だとちょっと遅いような気がするんで、補正なのかあるいは予備費の活用なのか分かりませんけれど、是非大臣、これ具体的に御検討いただけませんか。

「しっかり検討していきたい」
 萩生田光一文科相 まず、今回、学校単位での裁量権をお渡しした経費をお使いいただいて、先生が御指摘いただいたように、大変皆さん使い勝手は良かったという好評をいただいております。他方、御指摘のあったように、教育委員会で抱えてしまって現場に来ないんだという批判もあったんですけど、いろいろ確認しましたら、やっぱり共同購入した方が消毒液などは安く買えるというような判断もあったんで、今では多分皆さん理解をしている状況にあると思います。
 したがって、今、お配りしたお金が枯渇している学校もあれば、まだ大事に使っている学校もあるやに承知しておりますので、ただ、フェーズが変わります。おっしゃるように冬が来るわけですから、今までのように経験したことがないコロナとの闘いが続く以上は、もし現場の声を吸い上げながら必要な措置を講じていかなきゃならないということであれば、これは是非しっかり検討していきたいな、そう思っております。
 (参院文教科学委員会令和2年11月17日)

令和2年 臨時国会質疑から