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令和2年臨時国会質疑から【第2回】

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 12月5日に閉会した臨時国会では、法案審議以外にも、今後、日本の教育制度をどのように改めようとしているのか議員と政府の考えが数多く示されている。主題ごとにその概要を紹介する。11月17日の参院文教科学委員会では、上野通子議員(自民)が大学での教員養成課程を経ないで授与される特別免許状について質問し、文科省は、「学校ごとに2割まで」という指針を改めて、より多様な人が教壇に立てるようにする考えを示した。

「専門家活用のため、特別免許状指針の改定状況は」
 上野通子議員(自民) 現場の教師以外の専門家の現場での活用促進のためには、特別非常勤講師制度や特別免許状の授与体制の整備促進は重要です。文科省は、現在、特別免許状の授与促進のための指針の改定を検討中と伺っていますが、どのような状態でいるのでしょうか、お伺いいたします。

「『学校ごとに二割まで』などの指針、年度内に改定」
 文科省総合教育政策局長 社会の変化やそれに伴う教育のニーズの変化に学校教育が適切に対応していくためには、様々な知識、経験を持つ方々の力を生かしていくことが大事であると考えます。このため、文科省としては、従来から、都道府県教育委員会に対して特別免許状や特別非常勤講師制度の積極的な活用を促しているところです。
 特別免許状につきましては、平成三十年度の授与件数は二百八件。少ないんですが、これでも五年前に比べれば三・五倍に増加しているということです。それから、特別非常勤講師制度につきましては、情報関係も含めて、年に二万件程度活用されております。
 お尋ねの特別免許状の授与の指針につきましては、例えば、さっき申し上げたように、増えてきたとはいえ、まだまだ積極的な活用を促していく必要があると思いますので、例えば、現在は学校ごとに二割までといった目安も示しているのですが、これは緩和していいと考えておりますし、そういう特別免許状の所持者の配置割合についての緩和、あるいは候補者の様々な経験をより積極的に評価していただけるような具体的な観点の示し方をより充実することなどを現在検討しております。
 今後、中央教育審議会の教員養成部会の御意見も伺った上で、令和二年度中に改定をしたいと考えております。
 (参院文教科学委員会令和2年11月17日)

令和2年 臨時国会質疑から