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デジタル教科書、「授業時数の半分未満」を撤廃へ

2面記事

文部科学省

画面は30cm以上離して
文科省検討会議

 紙の教科書と同一の内容をタブレット端末などに取り込んだ児童・生徒用のデジタル教科書について、文科省は授業時数の2分の1未満としてきた使用基準を撤廃する。昨年12月22日に開かれた検討会議で基準の見直しに関する案を示し、了承された。授業時には目と端末の画面を30センチ以上離して使用するなど、児童・生徒の健康面への配慮も求める。
 「GIGAスクール構想」で1人1台の情報端末整備が急速に進むとともに、令和3年度には小・中学校用の教科書の約95%でデジタル教科書が発行される見込みであることから、見直し案では現行基準に関して「デジタル教科書の活用の可能性を広げて児童生徒の学びの充実を図るために、撤廃することが適当である」とした。
 ただし、撤廃に当たっては、授業時数の2分の1以上で必ず使用しなければならないという意味ではなく、「あくまでも必要に応じてデジタル教科書をより有効に使用できる環境を整えるための措置」と言及した。

 授業時には児童・生徒が長時間にわたって端末の画面を見続けないよう、30分に1回、20秒程度、画面から目を離すなど教員の指導を求めた。また、目と端末との距離を20センチ間隔で見ることは避け、30センチから50センチ離して見ることが必要とした。
 デジタル教科書の使用基準を巡っては、文科省が平成30年12月にガイドラインを公表。紙の教科書と適切に併用することとし、紙に代えて使用できるのは、特別な配慮を必要とする児童・生徒を除き各学年、各教科等の授業時数の2分の1未満と定めていた。
 しかし、昨年7月に立ち上げた検討会議では委員から「基準に根拠がない」などの意見が相次ぎ、デジタル教科書の普及へ向けて撤廃を求める声が多く上がった。昨年10月には萩生田光一文科相が基準の見直しについて検討を加速するよう指示し、検討会議では他の論点に先行して議論を進めてきた。
 検討会議では小学校教科書の次の改訂時期である令和6年度に向け、2月下旬には中間まとめ案を公表する予定。

文部科学省

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