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コロナ時代に考えたい学校問題【第102回】

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試練から逃げる教師に魅力なし

 順風な人生を望みはするが、面白味はないし、そうはいかないものである。筆舌尽くしがたい人生ドラマを経験した親は、子どもには味わわせたくないと過保護になる場合がある。親心としてよく分かるが、子どもにとっては温室になるため、我が儘でひ弱になってしまう。
 こうした連鎖を何度も指摘されながら繰り返すのが人間である。
 トップセールスマンになった!一番先に昇進した!ともかく金が欲しかった!と、夢を叶えてから奈落の底へ落ちていくパターンは、まさに慢心のなせる常道と思えてならない。「捨我得全」と、執着を捨てて純粋に感謝をして、仲違いした親や家族に詫びた時に不思議と問題が解決していく事を多くの友が体験している。これは偶然とは言えない。すなわち命が連動していると思われてならない。
 人生の不幸を「何で」と思っているうちは解決しない。「これには何か意味がある」と、とらえた瞬間に景色が変わる。個人事業主と語るとこうした話題が多くなる。
 教師の立場は安定しているが、試練から逃げてばかりいては慢心で我が儘でひ弱になってしまう。そうした教師は正直人間的な魅力はない。児童生徒に悪影響しか与えない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題