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総合的な学習・探究の時間 持続可能な未来の創造と探究

12面記事

書評

SDGsと学校教育シリーズ
図解交えコンパクトに高校まで網羅
小玉 敏也・金馬 国晴・岩本 泰 編著

 まず、お聞きしたい。あなたの周りには総合的な学習の時間やSDGsについて実践をされながら、明快な指導や助言をしていただける先生はいますか。そうした先生が身近にいたなら、この遅々とした状況にはなっていなかったのではないだろうか。本書はそうした課題を解決すべく大学の教職課程のテキストとして活用することはもちろん、現職教員や高校生、市民までも対象に構成されている。
 まずは、章ごとに書かれているコラムを全て一読願いたい。特に最後の「アクティブ・ラーニングという束縛」の視点はハッとさせられる。構成は、8章38節と広く、ほどほど深く、図解などもポイントを押さえてまとめられているため、読者の理解と納得を意識したものであることが分かる。
 こうした高校の探究の時間までを網羅したテキストは、あまり例がない。思うにこれまでコンパクトにまとめるとなると、かなりの推敲を重ねたことが推測できる。その労に心から敬意を表するとともに、学校現場、そしてその養成段階の大学生には待望の一書であることは間違いがないだろう。「人が持っている能力や可能性を引き出すことが求められていることを意識してほしい」。その理念が各執筆者に共有されているとともに、前書き末尾の「本書を活用して、難問に挑戦していただきたい」とのメッセージが気に入った。
(2200円 学文社)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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