クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし
16面記事ルース・ソーヤー 再話
上條 由美子 訳
岸野 衣里子 画
アイルランドのある村に流れ者が置いていった赤ん坊、オーナ。やさしく美しい娘に育ったオーナは、家庭を持っていないという逆境の中でも、いつか自分の小屋を持つ夢を胸に抱き生きていた。
オーナが老いたある年、村を大飢饉が襲う。住み込みで働いていたが、食料をその家の子どもたちに譲るために出て行く。
その日は、雪降るクリスマスイブ。外で座っていたオーナに、夢にまで見た小屋を妖精たちが造り贈った。
それから百年。今でも毎年ホワイトクリスマスになると、オーナは小屋に世界中の飢えて行き場のない者を招き入れ、ごちそうをする。
アイルランドの幻想的なお話。(小学校中学年から)
(1650円 福音館書店 Tel03・3942・1226)