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コロナ時代に考えたい学校問題【第95回】

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「ちょっと」と大統領選挙

 よく使われる言葉に「ちょっと」がある。「ちょっとお願いしたい」「ちょっと聞きたい」「ちょっといいですか」「ちょっと変ではないですか」「ちょっと考えて見てください」等である。本来「ちょっと」は、「少し」の意味であるだろうが、かなり広範囲に使われているように思える。
 この「ちょっと」は、慣用句として差し障りなく使いやすいのかもしれない。しかしだ。「校長先生、ちょっといいですか」と、聞かれたとき、「ちょっとでいいの?」と、切り返す時があった。
 「少し」「ちょっと」の表現がこの度の米国の大統領選挙の仕組みには通用しない。州の過半数の票を獲得すれば、その州の選挙人を総取り出来るシステムなのである。分かりやすいが、日本の選挙制度と比べるとどうも馴染みにくい。
 日本は「和をもって尊し」の国ではある。それでも、「ちょっと」は、相手を軽視しているように私には感じられる。「お時間、ちょっといいですか?」よりもせめて「お時間少々頂けますか?」の方が私は丁寧に感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題