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コロナ時代に考えたい学校問題【第92回】

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中学生が踏み切りで相次ぎ亡くなる

 千葉県流山市で相次いで同じ踏切で中学生が亡くなった。第三者委員会が立ち上がり、お決まりのように近隣大学の教授が委員長になった。この段階である程度の結論が見えるように感じてしまうのは、私だけだろうか。
 25年ほど前に同市で中学生が校舎屋上から飛び降りて亡くなった。すぐさま第三者委員会が出来た。その頃は珍しい動きであったが今では当たり前になっている。
 そしてその落としどころも「死んだものは戻らない」のでと、精も根も尽き果て、やがて風化させていく傾向が強いからやりきれない。
 しかし、関係教師や生徒仲間は分かっているはずであり、不利なことを口にはしないし、関与しないように必死になるのが常だろう。
 死への決意は、必ず視線や行動に現れるものである。それを気づかない程に鈍感になってしまっているのか。数年前、住みやすく、子育てがしやすい市として取り沙汰され、益々発展しようとする街で続けて起きた死をどう解明し、正邪を示せるか。
 これに先立ち、同市で起きたいじめ問題を担当した大学教授は、怒りのあまり、体制をメディアに出て批判した。
 今度は別の方が委員長を務めている。色眼鏡で見るのではなく、今一度フラットにして成り行きを見届けたい。誰人も隣接する野田市の児童虐待死が彷彿と浮かんで来るだろうから。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題