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共通テスト 英語民間試験活用、大学の支持3割どまり

2面記事

文部科学省

文科省調査

 大学入試での英語のスピーキングとライティングの評価について、共通テストでの民間試験の活用を支持したのは全国の大学・学部の3割にとどまることが文科省の調査で分かった。一般選抜で評価することを支持したのも4割程度。約8割は入試で評価せず、入学後にそれぞれの大学で評価すべき、と答えた。同省では調査結果を踏まえて、民間試験の活用の是非を検討する。
 調査は文科省が7~9月に実施し、全国699大学2222学部から回答を得た。10月27日に開かれた大学入試の在り方に関する有識者会議で報告された。
 新学習指導要領では英語4技能の指導がこれまで以上に重視されるが、来年から始まる共通テストはリーディングとリスニングのみ出題する。これを受けて、調査ではスピーキングとライティングの評価方法を尋ねた。
 「共通テストで民間試験を活用すべき」に「とてもそう思う」は4・7%、「そう思う」は27・3%で、肯定的に回答したのは32%にとどまった。入試で評価する方法としては、総合型選抜(旧AO)や学校推薦での民間試験の活用を挙げる声が多く、肯定的な回答が57・6%だった。
 ただ、最も支持が多かったのは「入学後に各大学が評価する」で76・7%(複数回答)。国立大学と私立大学ともに同様の傾向を示していた。
 英語民間試験と同様に導入が議論されてきた記述式問題への賛否も聞いた。「共通テストで出題すべき」に肯定的だったのはわずかに15%。一般選抜で記述式問題を充実することを支持したのが58・8%だった。
 調査では、各大学・学部に個別の学力試験問題の公表状況なども尋ねている。試験問題を全て公開している学部は48・6%、「可能な限り公開」(47・1%)と合わせると9割を超えた。非公開は1・8%だった。

文部科学省

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