小学校内に「楽天」携帯基地局設置 千葉市
2面記事電磁波を心配する声も
国内4番目の携帯電話網の構築を目指している楽天モバイルは3月に千葉市と「GIGAスクール構想」に関する協定を結び、10月24日から、市立幕張西小学校で基地局の設置工事が始まった。同小学校が、この基地局を通してインターネットに接続する際の通信料は無料となる。当初は5校へ設置する予定だったが、2校は取り下げとなった。携帯電話が出す電磁波を巡っては、人体への影響を指摘する声がある。
10月26日時点での取材によると、同小学校への基地局設置工事は15日に終える予定。年内の運用開始を目指す。国の「GIGAスクール構想」に基づき、児童が1台ずつ情報端末を使えるようにする。
同社は今年3月、「GIGAスクール構想支援プラン」を発表。同社の基地局を学校敷地内に設置した場合、学校までの光回線を原則として無償で提供するというもので、第1弾として、同市と協定を結んだ。
児童・生徒、教職員の通信環境を整えるとともに、災害などの緊急時にもつながりやすい通信環境の実現を目指すとしていた。
同小学校をはじめ、基地局の設置が決まった3校には、広く普及している「4G」の回線を整備する。同市の教育委員会によると、他の市立学校への基地局整備を検討していくという。当初の同プランでは、より高速で大容量の通信が可能となる「5G」の基地局の整備も見込んでいる。
また、同市では、学校の備品整備などを進めるため、ふるさと納税の対象となる「教育みらい夢基金」を設けており、同社が基地局を設置する際に、基金への寄付を行うとした。額は公表していない。
同市の熊谷俊人市長が3月31日付で公開したブログでは、「電磁波について気にする方がいらっしゃいますが、携帯基地局の電磁波は基準値の千分の1以下であり、基地局をあえて気にする合理性は何もありません」としている。
同社はこの事業を発表した当初、浜松市教委にも声を掛けた。同市教委によると、その後、進展はなく、本年度内の実施のめどは立っていないという。
既に2校で設置
千葉市教委は10月16日付で市立学校への携帯電話基地局の設置状況をインターネット上で公表。それによると、既に市立の小学校の2校に基地局を設置している。2校とも、楽天モバイルとは別の企業によるもので、1校は平成24年以前から、もう1校は平成28年以前から設置しているとした。