トイレ改修の実施方法と進ちょく状況 本社調査まとめ
10面記事 学校のトイレは長らく和式が主流だったが現在、洋式化を中心とした改修が全国的に進められている。調査では、管理する市町村立学校のトイレ改修の実施方法を聞いた。
「自治体で決めた計画に沿って、各校のトイレを数年単位で数回に分けて工事し、最終的に全部のトイレを洋式化する」が147自治体(全体の32・0%)で最も多く、次いで「老朽化して故障が多くなったトイレから随時洋式化する」が96自治体(全体の20・9%)、「各学校の改築、長寿命化改修に合わせて、一度に全部のトイレを洋式化する」が94自治体(全体の20・4%)とほぼ同数となった。
「その他」も128自治体(全体の27・8%)と多かった。具体的な内容を見ると「すでに全部洋式化済み」という自治体がある一方で、多くは「各トイレ1個程度和式を残し、他は洋式化」「各階、男女ごとに半数以上のトイレを洋式化する」など、和式を残して全てを洋式化しないというものだった。
改修の進ちょく状況についても聞いた。「現在、各学校のトイレ洋式化改修を進めている」が244自治体(全体の53・0%)で最も多く、「全ての学校のトイレ洋式化改修を終えた(改築によるものも含む)」は69自治体(全体の15・0%)あった。
洋式化改修の終了予定年度は本年度から令和13年度までとばらつきがあり、未定とした自治体も多かった。
その他
その他、学校施設整備について感じる課題などを自由に記入してもらった。その中には「既存の学校施設はRC造が多いが、必ずしもメンテナンス性に優れてはいない。建築コストが重視されてきた結果、メンテナンスコストの増大を招く例もある。木造その他の改修性に優れた構造採用時の国庫補助制度の優遇等を期待したい」(新潟県・市)、「経年劣化により、雨漏り等の箇所も多く、今年度も改修工事などを検討しているが、日ごろのメンテナンス、今後の管理について、課題を感じている」(広島県・町)、「長寿命化改良事業等(改築含む)、空調整備、GIGAスクール関連などで費用が増大傾向にあり、維持管理まで考え合わせると、国等の財政的支援が必要と思われる」(中部地方・市など多数)などの意見があった。