542台のiPadを一括管理　モバイル端末管理CLOMO　MDMを採用

2020年10月19日 NEWS

鳥取県立特別支援学校で
アイキューブドシステムズ

　鳥取県立特別支援学校8校では現在、計542台のiPadを活用している。特別支援教育向けのアプリが多く、タッチパネル操作ができるほか、キーボードやマウスといった入出力支援機器との相性も良いことなどから、2013年度の導入以来、年を追うごとに導入が増えている。ただし、OSやアプリの更新、設定などは台数が増えるほど、それらの管理に手間がかかるため、2016年度にモバイル端末管理を導入。本年度からは、現場教員の声を基に、CLOMO　MDM（アイキューブドシステムズ）を採用している。
　鳥取県教委教育環境課が、導入した機器の活用状況について適宜実施しているヒアリングによると、iPadの導入数が多い学校では、モバイル端末管理が業務改善に役立っていることがわかったという。一方で、その当時使用していたモバイル端末管理システムは、「操作が難しい」、「わかりにくくて時間がかかる」といった声もあったとしている。
　これらの意見を踏まえて次の整備に活かすため、モバイル端末管理に求められている機能に関する検討会を開催。特別支援学校4校の教員とともに、従来導入してたシステムも含めたモバイル端末管理3製品について検討したところ、CLOMO　MDMは、「画面情報がシンプルで分かりやすく、やりたいことがすぐにできる」、「直感的に作業できる」など、参加した教員全員から評価が高かった。
　鳥取県立特別支援学校では、児童生徒1人1人のニーズに対応してiPadを活用しているが、それまでのシステムは、やりたいことにたどり着くための選択肢が多く、異なる操作をするときは最初の画面からやり直す必要があり、操作に時間がかかっていたという。そこで、システム更新のタイミングでのCLOMO　MDMの導入を決定。6月下旬に初期化作業を行い、7月に新しいシステムを配備した。

1人1人ニーズに応じたアプリも一括管理が可能

　CLOMO　MDMは、1つの管理画面で児童生徒のタブレット･PCを一括で管理できるシステム。利用状況の確認や機能の設定もすべてリモートで実施できる。予期せぬ休校や注意事項、集合場所の変更といった大事なお知らせも一斉送信できるほか、置き忘れの場合も位置情報ですぐに探し出し、操作ロックで不正利用も防ぐことができる。
　また、新しい学習アプリの配布やバージョンアップもリモートで一斉に実施。さらに、学校にいる間や授業中は、学習に無関係なアプリの利用を制限して、授業に集中できる環境をつくることが可能だ。登校日と休日、授業中と休み時間など、事前の設定で制限モードを自動で切替えられるほか、クラス・学年・学校全体など、管理権限の設定を階層的かつ自由に設定できる。
　鳥取県立特別支援学校では、学習アプリのほか、聴覚支援や視覚支援など、1人1人のニーズに合わせた機能を持つアプリを、児童生徒それぞれのiPadに導入している。児童生徒数が多い学校では、1校で70種類も活用しているという。
　これまでは、学校全体で導入しているアプリはモバイル端末管理システムを使用していたが、1人1人のニーズに対応したアプリはiPadごとに設定が異なるため、ほとんどの学校で、モバイル端末管理を使用せずに1台ずつ更新していたようだ。鳥取県も特別支援学校の小中学部も含めてGIGAスクール構想による整備を進めており、2020年度の更新のタイミングでリース契約によるiPadの入れ替えを行う予定だ。
　今後も感染症対策や自然災害などの影響で、長期の臨時休業が必要になるかもしれず、特別支援学校の児童生徒もiPadの自宅への持ち帰り活用が始まる可能性がある。同課では、「これまでは数台の管理作業でも手元になければできなかったが、使い勝手の良いモバイル端末管理があれば、遠隔による管理で対応できる。必要に応じiPadの台数が増えることも考えられる。学校単位で管理しているため、導入台数が増えると、簡単に管理できる仕組みは、今後一層重要だ」としている。管理機能を利用して、各自の活用時間を確認できるほか、時間帯で使用可能な機能を制限したり、位置情報を確認したりするなど、いざというときに様々な対応も可能になる。「今後、iPadの導入台数は増えると、活用する場所が多岐に広がることが予想され、これまでとは異なった機能のアプリも必要になるかもしれない。様々な可能性がある中、新しい手立てを確保できた、と考えている」としている。
　桐蔭学園ほか、CLOMO　MDM導入事例はこちらから。