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冷房設置率 小・中普通教室9割超え、「給食室」では7割弱

1面記事

文部科学省

文科省調査

 文科省は9月30日、公立学校の冷房装置普及状況を公表した。同1日の時点で小・中学校の普通教室のうち、冷房装置を備えている割合は92・8%となり、前年度の77・1%を大きく上回った。高校と特別支援学校の普通教室はそれぞれ83・5%から87・0%へ、89・7%から94・9%へ、幼稚園の保育室は89・2%から94・9%へそれぞれ上昇している。
 この調査は公立の幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校、義務教育学校を対象として実施した。スポットクーラーも冷房装置に含めて集計した。
 特別教室は小・中学校が48・5%から55・5%へ、高校が43・7%から46・8%へ、特別支援学校が75・2%から84・4%へと伸びている。
 小・中学校の普通教室は、東北地方の各県で伸び幅の大きさが目立つ。岩手は20・5%から90・8%へ、宮城は34・5%から98・3%へと増えた。
 西日本でも、50%を切っていた鳥取が49・5%から100%へ、宮崎が45・6%から90・3%へと伸ばしている。

課題は体育館
 今後の課題は体育館の冷房化だ。体育館は天井が高く冷房効率に優れない。一方、災害時などには避難所として、住民らが生活する場となる。
 この調査では、体育館について、国の交付金の対象となる校種について前年度と比べられるようにして集計した。具体的には、小・中学校、幼稚園、特別支援学校などで、高校は対象外となっている。
 それによると体育館の他、武道場などの屋内体育施設の冷房化率は3・2%から9・0%へと伸びた。3倍近くに増えた計算となる。
 小・中学校に限ると、都道府県別では、東京が51・2%と群を抜く。滋賀(8・4%)、奈良(7・6%)が続いた。一方、22県は1%に満たなかった。

「給食室」7割弱

 文科省は同じく9月1日時点で給食調理場への冷房装置の設置状況も調べた。調理室・配膳室・洗浄室の冷房化率は単独調理場で66・5%、共同調理場で77・3%だった。滋賀では単独・共同調理場共に100%だった一方、3割前後にとどまる府県もあった。
 給食調理場は火や熱を扱うことから、冷房装置を備えていない場合、調理員にとって過酷な労働環境であることが指摘されていた。
 給食調理場を調理室などの「非汚染区域」、下処理室などの「汚染区域」、休憩室などの「非作業区域」に分けて、それぞれ、冷房装置の有無を調べた。スポットクーラーも冷房装置に加えている。
 都道府県別の集計では、三重、滋賀、京都、島根の各府県が単独調理場の非汚染区域で100%だった。最も低かったのは大分で24・0%だった。
 共同調理場の非汚染区域は、滋賀、鳥取の両県が100%だった。大阪の34・8%が最低だった。
 冷房の有無に加え、給食調理場の湿気を少なくするドライシステムの導入状況も調べた。導入率は単独調理場で31・9%、共同調理場で52・7%だった。

文部科学省

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