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わいせつ教員対策を文科省に陳情「免許の再交付やめて」

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市民団体 5万4千筆の署名添え

 「全国学校ハラスメント被害者連絡会」と「子どもの権利を守る会」は9月28日、子どもにわいせつ行為をしたことのある元教員が教員免許状を再取得できないようにすることを求める陳情書を約5万4千人分の署名と合わせて文科省へ提出した。現在の制度では、懲戒免職となり教員免許状が失効した場合、3年が経過すれば再取得できる。両団体は「性犯罪は再犯率が高い」などとして、どのような場合であっても教員免許状を交付しないよう要望した。
 「子どもの権利を守る会」は今年1月、性暴力を根絶するための活動を通して知り合った2人の女性が、子どもたちを性暴力や性的いやがらせから守ろうと活動を始めた。
 その一環として、「全国学校ハラスメント被害者連絡会」を設け、実態調査などを行うとしている。両団体は、SNSを中心に全国の保護者や過去の性犯罪被害者などから署名を集めた。
 陳情書では性犯罪の再犯率が高いことをはじめ、小児性愛者の治療環境が全国で整っていないことなどを理由に教育職員免許法の改正を提案。「子どもへのわいせつの前歴(前科)のある人への教員免許を再交付しないでください」と訴えている。
 併せて、学校内での性犯罪の防止に向け、防犯カメラの設置を求める要望書を提出した。
 この他、学校がわいせつ事件について隠ぺいしようとするケースも過去に複数あったとして、子どもへの性暴力被害の削減に向け徹底的な対策を取るよう提言している。
 同日に文科省で行った会見では、両団体で共同代表を務める大竹宏美氏が「子ども時代に受けた性暴力の傷は一生の苦しみになる」と訴えた。
 同じく共同代表の郡司真子氏は、学校の中での性暴力の行為は証拠が残せないケースもあると指摘。今回の署名活動を始めたことについて「声を上げることで直接、法案を変えることは難しいかもしれない。それでも埋もれてしまっている声を届けていきたい」と話した。
 この他、会見では子どもを触る、なでるなどの行為も性暴力になり得ることが教員に十分に伝わっていないことにも言及。自治体によってセクハラ行為の防止のための研修などが用意されているが、地域差が大きく開いているという。
 大竹氏は会見の最後に、教員免許を再交付された元教員の再犯の報告が多いことについて触れ「学校が安全であることは大前提の話。性暴力の可能性が少しでもなくなるよう、訴え続けていきたい」と締めくくった。
 両団体は今後、地方自治体の教育長などにも連携も求めていくとしている。

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